生命を制御対象ではなく自律主体とし、自己創出を良き環と捉え直した新しい生物学。現代思想に影響を与えたオートポイエーシス理論の入門書。

知恵の樹
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,320円(税込)
  • Cコード:0145
  • 整理番号:マ-12-1
  • 刊行日: 1997/12/10
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:336
  • ISBN:4-480-08389-8
  • JANコード:9784480083890
管 啓次郎
管 啓次郎

スガ ケイジロウ

1958年生まれ。詩人、明治大学教授。詩集に『数と夕方』(左右社)『犬探し/犬のパピルス』(Tombac)ほか。著書に『コロンブスの犬』(河出文庫)、『コヨーテ読書』(青土社)、『オムニフォン』(岩波書店)、『ストレンジオグラフィ』(左右社)など。パティ・スミス『M トレイン』(河出書房新社)、グリッサン『第四世紀』(インスクリプト)、サン=テグジュペリ『星の王子さま』(角川文庫)はじめ訳書多数。2011年、『斜線の旅』により読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞。

この本の内容

エネルギーや物質を環境から受け入れはするものの外部システムの作動には関知せず、自己は自身をもとに自らを創出する―本書は、システムが自分自身の組織を形成し変化させていく閉じた環のなかにとどまり、その循環をよき環としてとらえなおそうという、まったく新しい生物学の原理“オートポイエーシス理論”の初歩的で原理的な入門書。生物のあいだの円環を意識しながら、生命の世界に対するしなやかな感性と、生物を制御対象ではなく自律主体として見る柔軟な視線でとらえるこの認識論は、1973年、チリのアジェンデ政権下における知的沸騰のなかで生まれ、社会や法律、現代思想に大きな影響を与えた。

この本の目次

第1章 “いかにして知るのか”を知る
第2章 “生きていること”の組織
第3章 歴史―生殖と遺伝
第4章 メタ細胞体の生活
第5章 生物のナチュラル・ドリフト
第6章 “行動域”
第7章 神経システムと認識
第8章 “社会”現象
第9章 “言語域”と人間の意識
第10章 知恵の樹

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