『大阪のお金が誰でもわかる本』宇山卓栄(あたま出版)
都構想、総合区、政令市も対談形式でわかりやすく解説。大阪の景気と財政を良くする方法とは?大阪人必読の書。
なぜ、自民党に変わる新勢力が大阪維新の会、東京の都民ファーストの会は地方政治を舞台に台頭したのか?それは知事が内閣総理大臣のように間接選挙ではなく直接選挙によるものである。自らの地方政党を作り、議会で多数派を占め、改革勢力を形成し、都市官僚制と自民党システムに支えられたアンシャン・レジームを破壊しようと試みていると筆者は分析している。自民党と役所による相互依存体制による地域の隅々まで富を行き渡らせる分配型政治が終焉し、1993年の細川内閣から2001年の小泉改革で補修するが、国民の抜本的な体制変革を望む2009年の民主党政権台頭へと繋がる。もはや部分補修では耐えられなくなり、反動として登場し大都市地域で自民党議員を締め出し自民党システムを放逐することに成功したと筆者は語る。また、自民党システムを破壊した新興勢力は、都市官僚制に対しても、納税者視点に立ち、税金を使わせないようにし、行政の無駄をなくす「ワイズ・スペンディング(賢い支出)」を標榜し都市官僚制に歯止めをかける。地方改革は地方改革だけでなく、国全体のフレームワークとして機能しなければ、一過性のもので終わってしまう危険がある。一部を叩いても全体は変わらず、有権者は局地的な熱狂に沸くのではなく、国民全体の総意として改革のムーブメントを巻き起こさなければ、本当の意味でアンシャン・レジームは打破できないと筆者は強く訴える。
本書は、以下の構成となっている。1これが大阪経済の実態だ(地盤地下の続く大阪は復活できるのか?)、2新しい大阪グランフロント・ハルカス(再開発は大阪経済は復活するか?)、3プサンに負けるな!港湾戦略で大阪は復活できる(なぜ、大阪港はこんなにも負けているのか?)、4関空が大阪の未来を決める(関空は儲かる空港になることができるか?)、5観光で稼ぐ21世紀大阪の観光戦略(ブームは続くか?訪日客は大阪をどのように評価しているのか?)、6地下鉄民営化は得か損か)民営化にはどのようなメリットがあるのか?)7IRは大阪経済の救世主となるか(おおさかにとってのカジノとは?)、8大阪商店街の厳しい現実(取り潰しも避けられない、これからの商店街とは?)、9教育・福祉で読み解く大阪経済(若年層を大阪に取り込むためにはどうすべきか?)、10・11・12財政で読み解く大阪経済と「都構想」①(大阪府の財政は破綻へ向かうしかないのか?)②(財政を圧迫する「負の遺産」はどのようにして作られたのか)③(「都構想」は大阪にとって得か損か)となっている。
正直、大阪都構想の賛否ないし是非が問われたが、メディアが伝える都構想のメリットとデメリットは、かなり簡略化されたものだった。なぜ、大阪府が財政再建団体であるか、また如何に大阪府の行政が、その財政再建団体であるが地方債を発行し借金をしているが歳入と法的に認めたり、財政調整金、減債基金などの積立金を取り崩して歳入に組み入れて黒字化するなど、構造の仕組みと数字の中身を理解せず、黒字や赤字という言葉に財政再建団体から脱却という紙面に一喜一憂して都構想の是非を投じても良いのだろうか?都構想に投じる前に賛成でも反対でも都構想とは何か?その都構想を行わなければならない我々が住む大阪府や大阪市の実体を知る意義は大きい。そうした意味で本書は非常に有益であり、関空についての話、大阪市営地下民営化の実態、大阪府の福祉、大阪府と大阪市の面子対立など聞いて唖然とする内容から興味をもって追及すべき問題まで大阪府を知る一冊として慧眼を得た思い。このような良書がAmazonのKindle Unlimited では無料で読むことができる。
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大阪のお金が誰でもわかる本 Kindle版
かつて商都として栄えた大阪。
経済状況の悪化だけでなく財政状況も悪化、大阪の財政は破綻寸前とも言われています。
大阪経済の凋落は「不景気」だけが原因なのでしょうか。
それとも何か大きな問題があるのではないでしょうか。
大阪の財政は本当に危機的状況なのでしょうか。
大阪は数年前から橋下徹代表(当時)率いる大阪維新の会が「大阪都構想」を掲げて大阪を大々的に改革しようと活動しています。他方、自民党や公明党等の政党は「大阪都構想」の欠点を指摘するとともに「総合区制度」を提示しました。
大阪府民・大阪市民にとって、「大阪都構想」と「総合区制度」のどちらが良いのでしょうか。
いえ、そもそも大阪の経済や財政ってどうなの? 良いの? 悪いの? 悪いとすればどれくらい?
そして、問題を解決するにはどうすれば良いの?
これらの疑問と解決策について、特定の政党等に偏らず公平かつ冷静に、そして、これ以上なく丁寧でわかりやすく解説しました。
すべての大阪府民・大阪市民必読の書です。
目次
はじめに
1. これが大阪経済の実態だ!
地盤沈下の続く大阪は復活できるのか?
2. 新しい大阪-----グランフロント、ハルカス
再開発で大阪経済は復活するか?
3. プサンに負けるな! 港湾戦略で大阪は復活できる
なぜ、大阪港はこんなにも負けているのか?
4. 関空が大阪の未来を決める
関空は「儲かる」空港になることができるか?
5. 観光で稼ぐ---21世紀大阪の観光戦略
ブームは続くか? 訪日客は大阪をどのように評価しているのか?
6. 地下鉄民営化は得か損か
民営化にはどのようなメリットがあるのか?
7. IRは大阪経済の救世主となるか
おおさかにとってのカジノとは?
8. 大阪商店街の厳しい現実
取り潰しも避けられない、これからの商店街とは?
9. 教育・福祉で読み解く大阪経済
若年層を大阪に取り込むためにはどうすべきなのか?
10. 財政で読み解く大阪経済と「都構想」①
大阪府の財政は破綻へ向かうしかないのか?
11. 財政で読み解く大阪経済と「都構想」②
財政を圧迫する「負の遺産」はどのようにつくられたのか?
12. 財政で読み解く大阪経済と「都構想」③
「都構想」は大阪にとって得か損か?
おわりに
参考文献
著者紹介
奥付
著者紹介
宇山卓栄 Uyama Takuei
1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。著作家。代々木ゼミナールで世界史の教鞭を執る。個人投資家として新興国の株式・債券に投資し、「自分の目で見て歩く」をモットーに世界各国を旅する。
2015年、自民党から大阪府議会議員選挙に出馬するも、次点落選。テレビ、ラジオにも多数出演し、歴史をベースとした視点から、時事問題や国際情勢を解説する切り口に定評がある。
おもな著書に、『世界一おもしろい世界史の授業』(KADOKAWA)、『日本の今の問題はすでにが解決している』(学研)、『経済を読み解くための宗教史』(KADOKAWA)、『世界史で学べ! 間違いだらけの民主主義』(かんき出版)、『世界史は99%、経済でつくられる』(育鵬社)、『しくじりから学ぶ世界史』(三笠書房)などがある。
経済状況の悪化だけでなく財政状況も悪化、大阪の財政は破綻寸前とも言われています。
大阪経済の凋落は「不景気」だけが原因なのでしょうか。
それとも何か大きな問題があるのではないでしょうか。
大阪の財政は本当に危機的状況なのでしょうか。
大阪は数年前から橋下徹代表(当時)率いる大阪維新の会が「大阪都構想」を掲げて大阪を大々的に改革しようと活動しています。他方、自民党や公明党等の政党は「大阪都構想」の欠点を指摘するとともに「総合区制度」を提示しました。
大阪府民・大阪市民にとって、「大阪都構想」と「総合区制度」のどちらが良いのでしょうか。
いえ、そもそも大阪の経済や財政ってどうなの? 良いの? 悪いの? 悪いとすればどれくらい?
そして、問題を解決するにはどうすれば良いの?
これらの疑問と解決策について、特定の政党等に偏らず公平かつ冷静に、そして、これ以上なく丁寧でわかりやすく解説しました。
すべての大阪府民・大阪市民必読の書です。
目次
はじめに
1. これが大阪経済の実態だ!
地盤沈下の続く大阪は復活できるのか?
2. 新しい大阪-----グランフロント、ハルカス
再開発で大阪経済は復活するか?
3. プサンに負けるな! 港湾戦略で大阪は復活できる
なぜ、大阪港はこんなにも負けているのか?
4. 関空が大阪の未来を決める
関空は「儲かる」空港になることができるか?
5. 観光で稼ぐ---21世紀大阪の観光戦略
ブームは続くか? 訪日客は大阪をどのように評価しているのか?
6. 地下鉄民営化は得か損か
民営化にはどのようなメリットがあるのか?
7. IRは大阪経済の救世主となるか
おおさかにとってのカジノとは?
8. 大阪商店街の厳しい現実
取り潰しも避けられない、これからの商店街とは?
9. 教育・福祉で読み解く大阪経済
若年層を大阪に取り込むためにはどうすべきなのか?
10. 財政で読み解く大阪経済と「都構想」①
大阪府の財政は破綻へ向かうしかないのか?
11. 財政で読み解く大阪経済と「都構想」②
財政を圧迫する「負の遺産」はどのようにつくられたのか?
12. 財政で読み解く大阪経済と「都構想」③
「都構想」は大阪にとって得か損か?
おわりに
参考文献
著者紹介
奥付
著者紹介
宇山卓栄 Uyama Takuei
1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。著作家。代々木ゼミナールで世界史の教鞭を執る。個人投資家として新興国の株式・債券に投資し、「自分の目で見て歩く」をモットーに世界各国を旅する。
2015年、自民党から大阪府議会議員選挙に出馬するも、次点落選。テレビ、ラジオにも多数出演し、歴史をベースとした視点から、時事問題や国際情勢を解説する切り口に定評がある。
おもな著書に、『世界一おもしろい世界史の授業』(KADOKAWA)、『日本の今の問題はすでにが解決している』(学研)、『経済を読み解くための宗教史』(KADOKAWA)、『世界史で学べ! 間違いだらけの民主主義』(かんき出版)、『世界史は99%、経済でつくられる』(育鵬社)、『しくじりから学ぶ世界史』(三笠書房)などがある。
- 言語日本語
- 発売日2017/9/3
- ファイルサイズ18748 KB
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- 販売: Amazon Services International LLC
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登録情報
- ASIN : B075CVR2DQ
- 出版社 : あたま出版 (2017/9/3)
- 発売日 : 2017/9/3
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 18748 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 269ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 288,084位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 162位公共事業と企業
- - 169位都市・地域経済学
- - 10,619位産業研究 (Kindleストア)
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著者について
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宇山卓栄プロフィール profile
1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。代々木ゼミナール世界史科講師を務め、著作家。テレビ、ラジオ、 雑誌、ネットなど各メディアで、時事問題を歴史の視点でわかりやすく解説。主な著書に『大アジア史』(講談社)、『世界民族全史』、『民族で読み解く世界史』、『王室で読み解く世界史』、『宗教で読み解く世界史』(以上、日本実業出版社)、『世界一おもしろい世界史の授業』(KADOKAWA) 、『経済で読み解く世界史』、『朝鮮属国史---中国が支配した2000年』(以上、扶桑社)、『世界史で読み解く天皇ブランド』(悟空出版)など。
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5 星
大阪を知る貴重な一冊
『大阪のお金が誰でもわかる本』宇山卓栄(あたま出版)都構想、総合区、政令市も対談形式でわかりやすく解説。大阪の景気と財政を良くする方法とは?大阪人必読の書。なぜ、自民党に変わる新勢力が大阪維新の会、東京の都民ファーストの会は地方政治を舞台に台頭したのか?それは知事が内閣総理大臣のように間接選挙ではなく直接選挙によるものである。自らの地方政党を作り、議会で多数派を占め、改革勢力を形成し、都市官僚制と自民党システムに支えられたアンシャン・レジームを破壊しようと試みていると筆者は分析している。自民党と役所による相互依存体制による地域の隅々まで富を行き渡らせる分配型政治が終焉し、1993年の細川内閣から2001年の小泉改革で補修するが、国民の抜本的な体制変革を望む2009年の民主党政権台頭へと繋がる。もはや部分補修では耐えられなくなり、反動として登場し大都市地域で自民党議員を締め出し自民党システムを放逐することに成功したと筆者は語る。また、自民党システムを破壊した新興勢力は、都市官僚制に対しても、納税者視点に立ち、税金を使わせないようにし、行政の無駄をなくす「ワイズ・スペンディング(賢い支出)」を標榜し都市官僚制に歯止めをかける。地方改革は地方改革だけでなく、国全体のフレームワークとして機能しなければ、一過性のもので終わってしまう危険がある。一部を叩いても全体は変わらず、有権者は局地的な熱狂に沸くのではなく、国民全体の総意として改革のムーブメントを巻き起こさなければ、本当の意味でアンシャン・レジームは打破できないと筆者は強く訴える。本書は、以下の構成となっている。1これが大阪経済の実態だ(地盤地下の続く大阪は復活できるのか?)、2新しい大阪グランフロント・ハルカス(再開発は大阪経済は復活するか?)、3プサンに負けるな!港湾戦略で大阪は復活できる(なぜ、大阪港はこんなにも負けているのか?)、4関空が大阪の未来を決める(関空は儲かる空港になることができるか?)、5観光で稼ぐ21世紀大阪の観光戦略(ブームは続くか?訪日客は大阪をどのように評価しているのか?)、6地下鉄民営化は得か損か)民営化にはどのようなメリットがあるのか?)7IRは大阪経済の救世主となるか(おおさかにとってのカジノとは?)、8大阪商店街の厳しい現実(取り潰しも避けられない、これからの商店街とは?)、9教育・福祉で読み解く大阪経済(若年層を大阪に取り込むためにはどうすべきか?)、10・11・12財政で読み解く大阪経済と「都構想」①(大阪府の財政は破綻へ向かうしかないのか?)②(財政を圧迫する「負の遺産」はどのようにして作られたのか)③(「都構想」は大阪にとって得か損か)となっている。正直、大阪都構想の賛否ないし是非が問われたが、メディアが伝える都構想のメリットとデメリットは、かなり簡略化されたものだった。なぜ、大阪府が財政再建団体であるか、また如何に大阪府の行政が、その財政再建団体であるが地方債を発行し借金をしているが歳入と法的に認めたり、財政調整金、減債基金などの積立金を取り崩して歳入に組み入れて黒字化するなど、構造の仕組みと数字の中身を理解せず、黒字や赤字という言葉に財政再建団体から脱却という紙面に一喜一憂して都構想の是非を投じても良いのだろうか?都構想に投じる前に賛成でも反対でも都構想とは何か?その都構想を行わなければならない我々が住む大阪府や大阪市の実体を知る意義は大きい。そうした意味で本書は非常に有益であり、関空についての話、大阪市営地下民営化の実態、大阪府の福祉、大阪府と大阪市の面子対立など聞いて唖然とする内容から興味をもって追及すべき問題まで大阪府を知る一冊として慧眼を得た思い。このような良書がAmazonのKindle Unlimited では無料で読むことができる。
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2019年2月24日に日本でレビュー済み
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『大阪のお金が誰でもわかる本』宇山卓栄(あたま出版)
都構想、総合区、政令市も対談形式でわかりやすく解説。大阪の景気と財政を良くする方法とは?大阪人必読の書。
なぜ、自民党に変わる新勢力が大阪維新の会、東京の都民ファーストの会は地方政治を舞台に台頭したのか?それは知事が内閣総理大臣のように間接選挙ではなく直接選挙によるものである。自らの地方政党を作り、議会で多数派を占め、改革勢力を形成し、都市官僚制と自民党システムに支えられたアンシャン・レジームを破壊しようと試みていると筆者は分析している。自民党と役所による相互依存体制による地域の隅々まで富を行き渡らせる分配型政治が終焉し、1993年の細川内閣から2001年の小泉改革で補修するが、国民の抜本的な体制変革を望む2009年の民主党政権台頭へと繋がる。もはや部分補修では耐えられなくなり、反動として登場し大都市地域で自民党議員を締め出し自民党システムを放逐することに成功したと筆者は語る。また、自民党システムを破壊した新興勢力は、都市官僚制に対しても、納税者視点に立ち、税金を使わせないようにし、行政の無駄をなくす「ワイズ・スペンディング(賢い支出)」を標榜し都市官僚制に歯止めをかける。地方改革は地方改革だけでなく、国全体のフレームワークとして機能しなければ、一過性のもので終わってしまう危険がある。一部を叩いても全体は変わらず、有権者は局地的な熱狂に沸くのではなく、国民全体の総意として改革のムーブメントを巻き起こさなければ、本当の意味でアンシャン・レジームは打破できないと筆者は強く訴える。
本書は、以下の構成となっている。1これが大阪経済の実態だ(地盤地下の続く大阪は復活できるのか?)、2新しい大阪グランフロント・ハルカス(再開発は大阪経済は復活するか?)、3プサンに負けるな!港湾戦略で大阪は復活できる(なぜ、大阪港はこんなにも負けているのか?)、4関空が大阪の未来を決める(関空は儲かる空港になることができるか?)、5観光で稼ぐ21世紀大阪の観光戦略(ブームは続くか?訪日客は大阪をどのように評価しているのか?)、6地下鉄民営化は得か損か)民営化にはどのようなメリットがあるのか?)7IRは大阪経済の救世主となるか(おおさかにとってのカジノとは?)、8大阪商店街の厳しい現実(取り潰しも避けられない、これからの商店街とは?)、9教育・福祉で読み解く大阪経済(若年層を大阪に取り込むためにはどうすべきか?)、10・11・12財政で読み解く大阪経済と「都構想」①(大阪府の財政は破綻へ向かうしかないのか?)②(財政を圧迫する「負の遺産」はどのようにして作られたのか)③(「都構想」は大阪にとって得か損か)となっている。
正直、大阪都構想の賛否ないし是非が問われたが、メディアが伝える都構想のメリットとデメリットは、かなり簡略化されたものだった。なぜ、大阪府が財政再建団体であるか、また如何に大阪府の行政が、その財政再建団体であるが地方債を発行し借金をしているが歳入と法的に認めたり、財政調整金、減債基金などの積立金を取り崩して歳入に組み入れて黒字化するなど、構造の仕組みと数字の中身を理解せず、黒字や赤字という言葉に財政再建団体から脱却という紙面に一喜一憂して都構想の是非を投じても良いのだろうか?都構想に投じる前に賛成でも反対でも都構想とは何か?その都構想を行わなければならない我々が住む大阪府や大阪市の実体を知る意義は大きい。そうした意味で本書は非常に有益であり、関空についての話、大阪市営地下民営化の実態、大阪府の福祉、大阪府と大阪市の面子対立など聞いて唖然とする内容から興味をもって追及すべき問題まで大阪府を知る一冊として慧眼を得た思い。このような良書がAmazonのKindle Unlimited では無料で読むことができる。
都構想、総合区、政令市も対談形式でわかりやすく解説。大阪の景気と財政を良くする方法とは?大阪人必読の書。
なぜ、自民党に変わる新勢力が大阪維新の会、東京の都民ファーストの会は地方政治を舞台に台頭したのか?それは知事が内閣総理大臣のように間接選挙ではなく直接選挙によるものである。自らの地方政党を作り、議会で多数派を占め、改革勢力を形成し、都市官僚制と自民党システムに支えられたアンシャン・レジームを破壊しようと試みていると筆者は分析している。自民党と役所による相互依存体制による地域の隅々まで富を行き渡らせる分配型政治が終焉し、1993年の細川内閣から2001年の小泉改革で補修するが、国民の抜本的な体制変革を望む2009年の民主党政権台頭へと繋がる。もはや部分補修では耐えられなくなり、反動として登場し大都市地域で自民党議員を締め出し自民党システムを放逐することに成功したと筆者は語る。また、自民党システムを破壊した新興勢力は、都市官僚制に対しても、納税者視点に立ち、税金を使わせないようにし、行政の無駄をなくす「ワイズ・スペンディング(賢い支出)」を標榜し都市官僚制に歯止めをかける。地方改革は地方改革だけでなく、国全体のフレームワークとして機能しなければ、一過性のもので終わってしまう危険がある。一部を叩いても全体は変わらず、有権者は局地的な熱狂に沸くのではなく、国民全体の総意として改革のムーブメントを巻き起こさなければ、本当の意味でアンシャン・レジームは打破できないと筆者は強く訴える。
本書は、以下の構成となっている。1これが大阪経済の実態だ(地盤地下の続く大阪は復活できるのか?)、2新しい大阪グランフロント・ハルカス(再開発は大阪経済は復活するか?)、3プサンに負けるな!港湾戦略で大阪は復活できる(なぜ、大阪港はこんなにも負けているのか?)、4関空が大阪の未来を決める(関空は儲かる空港になることができるか?)、5観光で稼ぐ21世紀大阪の観光戦略(ブームは続くか?訪日客は大阪をどのように評価しているのか?)、6地下鉄民営化は得か損か)民営化にはどのようなメリットがあるのか?)7IRは大阪経済の救世主となるか(おおさかにとってのカジノとは?)、8大阪商店街の厳しい現実(取り潰しも避けられない、これからの商店街とは?)、9教育・福祉で読み解く大阪経済(若年層を大阪に取り込むためにはどうすべきか?)、10・11・12財政で読み解く大阪経済と「都構想」①(大阪府の財政は破綻へ向かうしかないのか?)②(財政を圧迫する「負の遺産」はどのようにして作られたのか)③(「都構想」は大阪にとって得か損か)となっている。
正直、大阪都構想の賛否ないし是非が問われたが、メディアが伝える都構想のメリットとデメリットは、かなり簡略化されたものだった。なぜ、大阪府が財政再建団体であるか、また如何に大阪府の行政が、その財政再建団体であるが地方債を発行し借金をしているが歳入と法的に認めたり、財政調整金、減債基金などの積立金を取り崩して歳入に組み入れて黒字化するなど、構造の仕組みと数字の中身を理解せず、黒字や赤字という言葉に財政再建団体から脱却という紙面に一喜一憂して都構想の是非を投じても良いのだろうか?都構想に投じる前に賛成でも反対でも都構想とは何か?その都構想を行わなければならない我々が住む大阪府や大阪市の実体を知る意義は大きい。そうした意味で本書は非常に有益であり、関空についての話、大阪市営地下民営化の実態、大阪府の福祉、大阪府と大阪市の面子対立など聞いて唖然とする内容から興味をもって追及すべき問題まで大阪府を知る一冊として慧眼を得た思い。このような良書がAmazonのKindle Unlimited では無料で読むことができる。
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1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年9月11日に日本でレビュー済み
大阪人ではない私がこの本を読んでみようと思ったのは
約50年前の万博が行われた頃、短期間大阪で仕事を
した、あの時代の活気に比べると、アベノハルカスなどの
大型商業施設が整備され綺麗になったものの、あまり
活気が感じられない現代の大阪との違いは何か?その原因を知り
たいと思ったからです。
この本は、女子高生が博士に質問するという対話形式で
進んで行きます。
その中で、大阪の産業、交通、商業、行政等々の問題が語られ、解決策が
示唆されて行きます。
なるほど、なるほどと、瞬く間に読みきってしまいましたが、現代の
大阪が抱える問題の概要を理解することができました。
多くの人、特に大阪の人が、この本を読み、問題意識を持ち、解決に向かって
進み、かってのような大阪の活気が復活されんことを期待します。
約50年前の万博が行われた頃、短期間大阪で仕事を
した、あの時代の活気に比べると、アベノハルカスなどの
大型商業施設が整備され綺麗になったものの、あまり
活気が感じられない現代の大阪との違いは何か?その原因を知り
たいと思ったからです。
この本は、女子高生が博士に質問するという対話形式で
進んで行きます。
その中で、大阪の産業、交通、商業、行政等々の問題が語られ、解決策が
示唆されて行きます。
なるほど、なるほどと、瞬く間に読みきってしまいましたが、現代の
大阪が抱える問題の概要を理解することができました。
多くの人、特に大阪の人が、この本を読み、問題意識を持ち、解決に向かって
進み、かってのような大阪の活気が復活されんことを期待します。
2018年5月16日に日本でレビュー済み
大阪の停滞の構造的要因が、歴史的な経緯も含めて非常に分かりやすく解説されています。また、中身について案外的を得た解説が少ない「大阪都構想」についての説明も秀逸です。
2017年9月7日に日本でレビュー済み
経済や自治体財政といった難しい問題を扱いながら、とてもわかりやすい構成になっている。わかりやすさの理由は「先生と生徒」による対談形式に加え、1つひとつの言葉や概念にかみ砕いた説明があるからだろう。読者の理解を助けるこのような工夫は、元予備校講師の著者ならではである。なお、内容に関しては「お金」というキーワードを軸にしながら、大阪の商店街の実態やグランフロント大阪、あべのハルカス、関空といった大阪経済の主軸となる様々な現象を取り上げ、そこを入り口にして大阪府・市の財政や大阪都構想へと斬り込んでいる。これなら難解な都構想問題も理解しやすい。大阪では2年前の住民投票で都構想は否決されたはずなのに、いま再び都構想論議が再燃し、来春には再度の住民投票がおこなわれようとしている。この本は都構想の賛成派、反対派に関係なく読むべきで、自治体や地域経済に関心のある他府県の方にも参考になるだろう。