産経を締め出した中国が「日本政府はメディアを教育せよ」の笑止

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先日、産経新聞による王毅外相と日本人外務事務次官の会談冒頭取材を拒否した中国政府。これに抗議した日本政府に対し中国外務省が「日本は自国メディアを教育せよ」と反発したことが物議を醸しています。台湾出身の評論家・黄文雄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、中国が自国に対して批判的なメディアを排除するのは当然としその理由を述べるとともに、近い将来、他国メディアに「中国に併合されることの幸せ」を報じさせる日が来るとの持論を記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2018年9月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】メディアの教育を日本政府に要求するが、人民の教育もできない中国

中国、本紙の代表取材拒否 日本人記者会がボイコット

中国政府は、8月29日に北京で行われた王毅外相と秋葉剛男外務事務次官の会談に際し、産経新聞の会談冒頭取材を拒否しました。これを受けて、北京駐在の新聞・通信社で構成する日本人記者会は、特定のメディアが取材拒否をされることは看過できないと、会談冒頭取材をボイコットするに至りました。

当然、日本政府も産経新聞排除を中国側に抗議しましたが、中国外交部の華春瑩報道官はこれを非難した上で、「日本政府は自国メディアを教育し制限しないといけない」と述べました。

産経排除への抗議に反発=日本政府は「メディア教育」を-中国外務省

この中国政府の産経新聞取材拒否と、日本メディアの取材ボイコットは、台湾でも大きく報じられました。台湾メディアの「民報」によれば、産経新聞は会談の冒頭取材について、くじ引きで会場での取材資格を得たものの、中国外交部が「中国と親しくない」(不夠親中)、「中国の意図に沿わない」(不符合黨意)という理由で、産経新聞の取材をNGにしたとしています。

北京封殺日本《産經新聞》不親中/20多家日媒集體抗議拒採訪

「民報」は、華春瑩報道官は物事の本質をぼかしているうえに、中国政府の態度はかなり傲慢だと批判しています。

もともと日本と中国は、事前に取材人数を制限することで合意しており、そのためくじ引きの制度が導入されているそうですが、しかし、中国の意図に沿わない報道をするメディアが閉め出されるのであれば、許可されるメディアは「中国の意図に沿ったメディア」ということになります。

かつて日本のメディアと中国政府の間には、日中記者交換協定というものが交わされました。これは1964年に結ばれ、その後、1968年に新たな内容で締結し直されたものですが、その内容を簡単にいえば、「中国を敵視しない」「二つの中国をつくる陰謀に加担しない」「日中国交正常化を妨げない」という「政治三原則」が掲げられ、これを守らなければ中国に記者を常駐できなくなるというものです。

そのため、中国にとって批判的なことを書いたことで、中国当局に逮捕されたり、中国から強制退去させられた新聞社や通信社が続出しました。また、中国から取材・報道ビザが下りないといったことも頻発したのです。

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