杉並からの情報発信です

政治、経済、金融、教育、社会問題、国際情勢など、日々変化する様々な問題を取り上げて発信したいと思います。

【YYNewsLiveNo2646】■詩『人間』をはかる公平な物差しは『人間の尊厳』である!

2018年10月19日 22時29分55秒 | 政治・社会
いつもお世話様です。                          

【YYNews】【YYNewsLive】【杉並からの情報発信です】【YYNewsネット世論調査】を主宰する市民革命派ネットジャーナリスト&社会政治運動家の山崎康彦です!

本日金曜日(2018年10月19日)午後9時から放送しました【YYNewsLiveNo2646】の放送台本です!

【放送録画】 59分29秒

https://ssl.twitcasting.tv/chateaux1000/movie/501099740

【放送録画】

☆今日の最新のお知らせ

①第16回『根っこ勉強会』は今週土曜日ではなく来週土曜日(2018.10.27)午後2時半-4時半に開催されます。今回のテーマは「日本最大のタブーの一つ『天皇制』とは何か?」です。いつものように①YYNewsLive②日本海賊TVでライブ中継します。

②【ワセダクロニクル10月オフ会報告】

一昨日水曜日(2018.10.17)夜にオフ会が東京飯田橋で開催され30名以上が参加されました。今回のテーマは10月4日から12日まで韓国ソウルで開かれた国際探査ジャーナりストネットワーク(GIJN)のアジア大会の報告でした。

・このアジア大会には48カ国480人が参加しそのうち100人がスピーカーとして講演した。ワセダクロニクルからは8人が参加した。その中で辻さんが「製薬マネーと医師:日本の製薬会社が医者に支払う研究援助金という第二の報酬」について、また栗山さんが「facebookを使った情報収集技術」についてスピーカとして講演した。

・国際探査ジャーナりストネットワーク(GIJN)は非営利の探査報道機関の世界ネットワークです。https://gijn.org/

・日本からはNHKや朝日などの大手マスコミも来ていたが日本で唯一の正式会員であるワセダクロニクルのことは一切言及しなかった。

・今回のソウル・アジア大会を実質的に主催したのは2014年設立の『ニュース・タパ』という探査報道機関で現在3.2万人の読者が年間3.6億円の資金援助して支えている。

【関連情報】

▲調査報道スクープ連発、広告なしで「十分可能」な理由【韓国メディア事情】

吉野太一郎

2014年03月21日 ハフポスト日本版

https://www.huffingtonpost.jp/2014/03/20/korea-media-now_n_4999401.html

ソウルの学生街・新村(シンチョン)。雑居ビルの6階に、30人のスタッフが働く調査報道専門の報道機関「ニュースタパ」がオフィスを構える。

「真に市民のためのメディアであるために、広告に一切頼らず権力を監視する。篤志家の巨額の寄付に頼らない運営は世界的にも珍しい」と、朴大用さん(39)は語る。インターネットの時代、新聞やテレビの独壇場だった調査報道を担う非営利組織が世界的に増えて来たが、安定収入の確保は大きな課題だ。韓国でそれに成功した組織があるとは、意外だった。

収入源は約3万2000人の有料会員だ。大口の寄付こそないが、月に計3億ウォン(約2900万円)以上を集め、給料や取材費に充てている。ホームページやスマートフォン用のアプリのほか、週2回、YouTubeで動画を公開しており、累計再生回数は1000万回を超えた。

実績は輝かしい。不正蓄財で巨額の追徴金を課された全斗煥(チョン・ドゥファン)・元大統領の子息や、解体した大手財閥・大宇(デウ)の元オーナーが海外のタックスヘイブン(租税回避地)に巨額の資産隠しをしている疑惑、脱北者がスパイ罪に問われた裁判で情報機関(国家情報院)が証拠書類を偽造した疑惑など、スクープを連発している。資産隠しを暴いたときは、記者会見を開いてマスコミに資料を提供した。

中心となるのは、李明博(イ・ミョンバク)政権(2008~2013)時にテレビ局を追われた記者たちだ。崔承浩さん(52)は「韓国文化放送(MBC)」の調査報道番組「PD手帳」のプロデューサーとして、李政権が進めた大型公共事業「4大運河事業」を批判していた。

2008年、アメリカ産牛肉の輸入を巡って大規模な反対デモが相次いだ。発端となった「PD手帳」は制作者が名誉毀損容疑で逮捕された。社長人事に介入して影響力を行使しようとする政権に対し、労組側は半年近くに及ぶストライキで対抗。テレビ各局で崔さんら15人が解雇された。「私自身は特に組合員としてストを主導したわけでもなかったけど、政権に批判的な奴の首を切りたかったのでしょう」と崔さんは言う。

テレビ局を追われたり懲戒処分を受けたりした計7人で、当初は言論労働組合の会議室を間借りして立ち上げた。「最初にあった機材はノートパソコン1台だけ。労組の会議が入れば場所を移動しながら取材を進めた」と振り返る。

発足半年後に会員制度を導入した。会員は順調に増え続け、すでに労組の支援は〝卒業〟した。2013年春からは新人の採用も始め、10人が先輩の指導を受けながら一線に配属されている。大手新聞社やテレビ局であれば半年ほどの研修期間を経て現場に配属されるのが普通だが「我々に体系的な研修をする余裕はないので、マンツーマンで先輩が指導するのが研修だ」という。

部数100万部を超える大手新聞が政権よりの保守的な論調で足並みをそろえる韓国で、政権を批判する報道を続けて圧力を感じることはないのだろうか。

「圧力を受けると感じたことはない。広告をもらっていないから。まともな調査報道は、市民の支援によるものが最も安全で清潔なんです」。崔さんはこともなげに言った。

一方で、不特定多数の一般会員によって支えられているのは、韓国特有の事情も影響しているようだ。崔さんはこう語る。

「アメリカでは大資本が調査報道NGOを支援しているケースが多いが、韓国はそういった資本が現れれば、すぐに国税庁の税務調査や国家情報院が介入してくる。本当にすぐに税務調査が来ますよ。現在、我々の一般会員にも匿名で支援している人がいると聞く。実名で支援していることがばれて、不利益を被るかもしれないからだ」

タパは韓国語で「打破」を意味する。権力の秘密という厚い壁はもちろん、メディア業界のしがらみや、「非営利組織に調査報道は難しい」といった常識など、いろいろなものを打破したように見えた。

(終わり)

☆今日の画像

①サウジアラビア政府批判のジャマル・カショギ氏虐殺事件に関与したとみられるサウジアラビア人グループ15人の顔写真(イスタンブールのアタチュルク国際空港で。トルコ紙サバハを通じて入手した警察の防犯カメラの映像より)

20181019殺害

②ジャマル・カショギ氏がトルコイスタンブールのサウジアラビア領事館に入る時の映像写真。

20181019殺害bis

③税収別の推移 (長周新聞記事より)

20181019税収の推移

④実質賃金指数 (長周新聞記事より)

20181019実質賃金指数

⑤企業の内部留保 (長周新聞記事より)

20181019企業の内部留保

☆今日の注目情報

①大企業には天国 国民には税金地獄 来年10月から消費税10%へ

2018年10月19日 長周新聞

https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/9634

安倍首相が消費税について予定通り2019年10月1日に8%から10%へと引き上げる方針を表明した。2014年に8%へと増税し、国民生活に甚大な影響を与えたことから、反発を恐れて2度にわたり延期してきたが、今春策定した「骨太の方針2018」に消費増税を明記しており、15日の臨時閣議で決定した。ガソリン代は高騰を続け、電気・ガス代、生鮮野菜も含む食品なども値上がりが続いている。アベノミクスの下で非正規雇用は労働者の4割を占めるまでになり、低所得層が増加するなかで、ますます国民や中小零細企業から巻き上げ、過去最高益をあげる大企業は減税を謳歌しようとしている。

安倍政府は、「アベノミクス」の成果でデフレ脱却を実現しつつあり、増税対策をすれば個人消費の落ち込みは抑制できるとし、「社会保障を全世代型に転換する財源を確保するため増税は不可欠だ」と主張している。2%の引き上げで5兆~6兆円の増収を見込んでいるが、それで幼児教育を無償化するという。

消費税をめぐっては1989年の導入時から、増税のたびに「社会保障の充実のため」というたてまえがついてきた。今回も安倍政府は「引き上げによる税収のうち半分を国民に還元する」とのべているが、社会保障費は削減の一方であり、国民に消費増税で福祉が充実した実感はない。

10%引き上げを大歓迎したのが経団連で、中西宏明会長は「非常によいことだ」とし、消費増税が経済に与える影響については「市場の状況を見ていると需要が冷える感じはしない」とのべている。経団連は再三にわたって10%への引き上げを要求しており、先月にも31年度税制改定に向けた提言のなかで、「確実に実現すべき」と要求していた。「持続可能な全世代型社会保障制度を確立しつつ、財政健全化を実現するために不可欠」などといっている。また日銀の黒田総裁も、これが日本経済に与える影響は大きくないとのべ、8%への引き上げ時に比べ「3分の1か4分の1程度にとどまる」とのべている。

政府は消費税増税による消費の落ち込みを防ぐため、経済対策として自動車や住宅向けの減税や補助金の拡充などを進める方針を明らかにしている。自動車では、購入時に燃費に応じて徴収する「環境性能割」や自動車税の初年度分の負担分を、一定期間免除する案などが出ており、住宅ではローンの残高に応じて所得税を減額する住宅ローン減税の拡充、住宅購入の助成金「すまい給付金」の増額などを検討しているとしている。

また中小小売店でクレジットカードなどを使った「キャッシュレス決済」をした消費者に対して2%分をポイントで還元した場合、それにかかる費用の補助を検討するとしている。だが、中小零細の小売店でキャッシュレス決済などしているところはまだ少なく、対応するには高額なシステムを導入しなければならない。消費増税を機にキャッシュレス決済を普及させることを狙ったものだが、結局、中小零細商店を淘汰していくものとの批判も上がっている。

貧困化進み購買力低下

2014年に消費税5%から8%に引き上げたさい、5・5兆円の経済対策がなされたにもかかわらず、駆け込み需要などの反動で個人消費は大きく落ち込み、持ち直すまで3年以上の年月を要した。地方では「消費が回復した」という実感はなく、低所得化に加えて、人口減少や少子高齢化が進み、消費購買力は着実に低下している。

国税庁の民間給与実態統計調査(平成29年分、調査対象4945万人)でも、300万円超~400万円以下が867万人(構成比17・5%)ともっとも多く、次いで200万円超~300万円以下が781万人(15・8%)となっており、400万円以下が全体の3割超を占めていることが明らかになっている。

男性にかぎると、年間給与額300万円超~400万円以下が523万人(17・8%)ともっとも多く、次いで400万円超~500万円以下が521万人(17・7%)となっている。女性はさらに低く、100万円超~200万円以下が473万人(23・6%)と最大で、次いで200万円超~300万円以下が435万人(21・7%)となっており、女性では45%超が300万円以下となっている。

こうしたなかで、低所得者も高所得者も関係なく課せられる消費税は逆進性が高く、低所得者により重い負担となる。このたび食品は8%に据え置かれる見込みであるものの、衣料品など生活必需品の多くは10%になるため、「さらに消費が落ち込む」と商業関係者らは危惧している。政府が減税で販促を後押しするのは自動車や住宅など大手企業であり、町の小売店は増税の影響をもろに受けることになる。

今回の10%への引き上げにあたっては、軽減税率をとり入れることになっている。対象になるのは、酒類・外食をのぞく飲料・食品や週二回以上発行される新聞だ。「軽減税率」というものの、生きていくのに不可欠な食品だから税率が下がるわけではなく、たんに現行の8%に据え置かれるだけだ。これがまた物議をかもしており、とくに外食をめぐって、テイクアウトの場合は8%、店内で飲食する場合は10%、コンビニで弁当や惣菜を買った場合、イートインコーナーで食べる場合は10%、持ち帰りとして販売されるときは8%など、線引きをどこでするのかが、現実離れした案として話題にされている。

大企業は増税で利益

安倍政府は消費税を「社会保障の充実に使う」といっているが、実際には法人税の減税分を消費税で穴埋めしているに過ぎない。

財務省が発表している一般会計税収の推移を見ると、消費税が導入された1989(平成元)年に19兆円あった法人税は2018年度(予算額)で12・2兆円と約7兆円減となっており、逆に消費税は導入時の3・3兆円から2018年度には17・7兆円と、14・3兆円の増となっている。2008年度には法人税収と消費税収が逆転し、今では国税収入の約4割が消費税によるものとなっている。

法人実効税率は減額続きで、2011年には39・54%だったのが2012年に37%に減税。さらに14年=34・62%、15年=32・11%、16年=29・97%に引き下げ、2018年度には29・74%まで引き下げている。法人実効税率は2%の引き下げで約1兆円規模の減税となる。この間の10%近い減税によって、大企業全体で5兆円規模の減税措置を受けており、その分が消費増税によって賄われている。

大企業には法人実効税率の引き下げに加えて、「政策減税」などの優遇もある。政府が2016年に明らかにした2014年度の実態調査によると、その合計額は約1兆2000億円にのぼり、トヨタ自動車は研究開発減税の1083億円、研究費総額にかかる税額控除の777億円など、年間約2300億円もの減税措置を受けていた。

さらにトヨタや日産など輸出主体の大企業は、製品を輸出するたびに「輸出品は消費税の回収ができない」という理由で消費税分が還付される制度がある。消費税が1%増えるたびに還付金が増える仕組みで、この還付金は国内の中小商店が収めた消費税納付額から支払われる。還付額がもっとも多いトヨタ自動車は消費税5%だった2010年度段階の還付金が約2200億円で、消費税が8%になった2015年度の還付金は3633億円にふくれあがった。これが10%になれば4500億円規模に増えることになる。一般庶民や中小零細企業・商店は消費税が増えると出費が増えるが、大企業は消費増税でばく大な利益を得る仕組みだ。

「社会保障を充実するためには消費増税しかない」といい、庶民の懐から有無をいわさず巻き上げる一方で、大企業の優遇や50兆円を超える海外へのばらまき、アメリカ製の高額兵器購入には惜しげもなく税金を投入する安倍政府に怒りが高まっている。

(終わり)

☆今日の推薦図書(朗読)

■宋鴻兵(ソン・ホンビン)著『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ』(ランダムハウス2009年5月20刊)

この本は中国で150万部、韓国で7万部、台湾で3.5万部が売れたベストセラーです。

(序文より)

『本書では18世紀以降に起こった重大金融事件の黒幕にスポットを当て、彼らの戦略瀬的目的や常套手段を分析比較しながら、彼らが将来中国に対して仕掛ける攻撃方法を予測し、中国の取るべき道を探ってみたい。"硝煙のない戦争"はすでに始まっている』

第114回朗読 (2018.10.19)

●追記 サブプライムローンとALT-A (後半) (P403-404)
         
(1)今日のメインテーマ

■詩『人間』をはかる公平な物差しは『人間の尊厳』である!

山崎康彦 2018.10.19


『重さ』をはかる公平な物差しは『グラム』である。

『グラム』は常に一定であり世界共通である。

『グラム』が絶えず変化すれば『平等な社会』は成り立たない。

『グラム』を支配・管理するものがいれば『人間社会』は成り立たない。


『距離』をはかる公平な物差しは『メーター』である。

『メーター』は常に一定であり世界共通である。

『メーター』が絶えず変化すれば『平等な社会』は成り立たない。

『メーター』を支配・管理するものがいれば『人間社会』は成り立たない。


『時間』をはかる公平な物差しは『秒』である。

『秒』は常に一定であり世界共通である。

『秒』が絶えず変化すれば『平等な社会』は成り立たない。

『秒』を支配・管理するものがいれば『人間社会』は成り立たない


『経済活動』をはかる公平な物差しは『金』である。

『金』は人類5000年の歴史上『富の最高形式』と公認されてきた。

『金』が絶えず変化すれば『平等な社会』は成り立たない。

『金』を支配・管理するものがいれば『人間社会』は成り立たない


『人間』をはかる公平な物差しは『人間の尊厳』である。

『人間の尊厳』は不変であり世界共通である。

『人間の尊厳』を破壊するものがいれば『平等な社会』は成り立たない。

『人間の尊厳』は人類のあらゆる悲劇を阻止する『最高かつ絶対価値』である。

(終わり)

(2)今日のトッピックス

①記者失踪、容疑者の一人はサウジ皇太子の付き人か 米紙報道

2018年10月17日 AFP日本語版

http://www.afpbb.com/articles/-/3193568?act=all

サウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の行方不明事件に関与したとみられるサウジアラビア人グループ。イスタンブールのアタチュルク国際空港で。トルコ紙サバハを通じて入手した警察の防犯カメラの映像より(2018年10月10日作成)

【10月17日 AFP】サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館を訪問後に行方不明になっている問題で、米紙ニューヨーク・タイムズ(New
York Times)は16日、トルコ当局が容疑者の一人について、ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子に頻繁に付き添っていた人物と特定したと報じた。

同紙によると、ほかの容疑者3人は皇太子の警護隊とつながりがあり、5人目は高位の法医学者だという。

サウジのサルマン国王(King Salman)はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との電話協議で、起こったことについては何も知らないと述べ、失踪への関与を強く否定。トランプ氏はこれを受けて、「ならず者の殺害者」が関与した可能性があると述べていたが、今回の報道はそれに疑問を投げ掛ける形となった。

ニューヨーク・タイムズは、カショギ氏の失踪に関与していると疑われるサウジ人15人のうち、少なくとも9人はサウジの治安部隊や軍、その他の政府機関で働く人物だと確認したとしている。

顔認識ソフトやサウジの電話番号のデータベース、漏えいしたサウジ政府の文書、証言、報道などから、それ以上の情報も集めているという。

②トルコ警察「森で遺体捜索」 サウジ記者殺害疑惑

2018.10.19 BBCNewsJapan

https://www.bbc.com/japanese/45910399

サウジアラビア政府に批判的だった同国の著名記者が失踪し、在イスタンブールのサウジアラビア総領事館内で殺害されたのではないかと懸念されている問題で18日、トルコの捜査消息筋によると、警察は記者の遺体が周辺の森や農地に遺棄された可能性を念頭に、捜索範囲を拡大した。他方、23日に開催されるサウジアラビアの皇太子主催の投資会議に、米財務長官と英国際貿易相が欠席することが新たに明らかになった。

ジャマル・カショジ記者は10月2日に書類手続きのためイスタンブールのサウジ総領事館に入ったのを最後に、行方が分からなくなっている。トルコ警察は当初から、記者が総領事館内で殺害され、遺体は解体されて外部に運び出されたと断定した。一方のサウジ政府はこれを否定している。

トルコ警察は15日から18日にかけて、総領事館と総領事公邸を鑑識捜査。採取した資料を鑑定し、カショジ記者のDNAと一致するか調べている。トルコ警察が総領事館に入る前には、サウジ政府関係者の一団と清掃係が入る様子が目撃されている。

これとは別にトルコ政府高官は18日、米ABCニュースに対して、記者が殺害される様子の音声証拠をマイク・ポンペオ米国務長官は聞いていると話したが、ヘザー・ナウアート国務省報道官はこれを否定した。ポンペオ長官は16日にサウジアラビアの首都リヤドを、17日にはトルコ・イスタンブールを歴訪し、サウジアラビアの皇太子やトルコの大統領を始め両政府幹部と会談している。サウジアラビアもトルコも、米国に近い同盟国。

トルコ警察は疑惑発覚当初から、カショジ記者が総領事館内で殺害されたことを裏づける音声・映像証拠を得ていると述べているが、公表はしていない。しかし、トルコ政府に近い複数の地元メディアは、証拠音声を聞いたとして、残酷な詳細を報道している。それによると、記録音声には記者の悲鳴や、すでに出国したモハメド・アル・オタイビ総領事の声が含まれているという。

政府に近いイェニ・サファク紙は、オタイビ総領事がリヤドからこの日到着したばかりの工作員たちに、「外でやれ。私が面倒なことになる」と告げていると書いた。

別のトルコ紙は、カショジ記者が失踪した2日に、民間機でイスタンブール入りして同日中に出国したサウジ工作員15人を特定したと伝えた。
総領事館に入ったまま行方不明に サウジ記者失踪のこれまで
「砂漠のダボス」に欠席相次ぐ

カショジ記者の殺害疑惑によって、主要産油国サウジアラビアと欧米各国の関係がきしんでいる。サウジ内で絶大な権力をふるうムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、大胆な改革の先導者として欧米で期待を集めたが、その強権姿勢をカショジ記者は重ねて批判していた。その記者の殺害疑惑について、皇太子の名前がさかんに取りざたされている。

ムハンマド皇太子は23日にリヤドで開かれる投資会議を主催。世界経済フォーラムが毎年1月にスイス東部ダボスで開く「ダボス会議」になぞらえて、「砂漠のダボス」と呼ばれてきたが、これまでに国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事など各国の政財界要人が欠席を表明。これまで姿勢を明示していなかった、米国のスティーブン・ムニューシン財務長官と英国のリアム・フォックス国際貿易相も18日、欠席を発表した。

皇太子が進める改革政策の宣伝を目的とした会議について、欧米ではボイコット圧力が高まる一方で、米ペプシやフランス電力、マッキンゼー、PWC、ゴールドマン・サックスなど、複数の企業は代表を送る見通し。

ドナルド・トランプ米大統領は18日、記者団に対して、カショジ記者は「どうやらおそらく」死亡したようだと述べ、「とても悲しいことだ」と付け足した。サウジ政府が記者を殺害したと証明されれば、「非常に厳しい」結果が待っているとも述べた。

トランプ氏は10日の時点でも、もしサウジ政府が記者を殺害したなら「厳罰」を与えると発言。これにサウジ側は強く反発していた。その後トランプ氏は15日には、記者は「行きずりの殺し屋」に殺されたのかもしれないと記者団に話した。トランプ大統領は、サウジ政府をかばっているのではないかという批判には、そのようなことはないと反論している。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、カショジ記者の失踪は気の毒だが、確かな事実の裏づけなしにサウジアラビアとの関係を損なうわけにはいかないと述べた。
失踪の記者、サウジ総領事館に入る映像
<時系列> カショジ記者の失踪

10月2日

03:28―サウジ工作員の搭乗が疑われる民間機がイスタンブール国際空港に到着。2機目が同日午後に到着

12:13―複数の外交車両が総領事館に到着するのを防犯カメラが撮影。サウジ工作員の一部が乗っていたとされる

13:14―カショジ記者が、トルコ人婚約者との結婚用の書類を取りに総領事館に入る

15:08―外交車両が総領事館を出発し、近くの総領事公邸に到着する様子を防犯カメラが撮影

21:00―この時間までに民間機2機は出国

10月3日

トルコ政府、総領事館内に留まったとみられるカショジ氏が行方不明と発表

10月4日

サウジアラビア政府、カショジ記者は総領事館を出たと表明

10月7日

トルコ当局者がBBCに、カショジ記者は総領事館内で殺害されたようだと話す。サウジアラビアは後にこれを強硬に否定

10月13日

トルコ当局はBBCアラビア語に、カショジ氏殺害の音声・映像証拠を得ていると話す。録音・録画証拠の存在は地元メディアがすでに報道していた

10月15日、17日、18日

トルコ警察の鑑識捜査員が総領事館と総領事公邸を捜査

(英語記事 Jamal Khashoggi case: Turkish police 'search forest')

(終わり)

③サウジ記者の殺害疑惑事件がソフトバンクの経営に“飛び火”

2018/10/19 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239754

とんだ災難(ソフトバンクの孫正義会長)/(C)日刊ゲンダイ

サウジアラビアの反体制ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏がトルコ国内のサウジ総領事館で失踪し、殺害疑惑が浮上している事件。今後の展開を世界中が注目する中、思わぬところに事態が飛び火した。

サウジの首都リヤドで23日から3日間の予定で開催される経済フォーラム「未来投資イニシアチブ」(FII)。事件への関与が疑われているムハンマド皇太子がFIIを主導していることから、急きょ、CNNやNYタイムズが協賛を取りやめたほか、米国の大手メディア「バイアコム」、配車サービス「ウーバー・テクノロジーズ」などの大手企業が続々と不参加を表明しているのだが、そのFII諮問委員会の委員を務めるのがソフトバンクの孫正義社長なのだ。

ソフトバンクは昨年5月、サウジの政府系ファンドと共同で運用額10兆円規模の「ソフトバンクビジョンファンド」(SVF)を設立。以来、サウジとは蜜月の関係を築いてきた。今月6日には、サウジ政府がさらに約5兆円を追加出資するという景気のいい話も報じられたが、カショギ氏の事件で状況は一変した。

SVFの先行きが不透明になったため、市場は親会社であるソフトバンクグループの経営にも影響が出ると判断。15日のソフトバンクグループの株価は一時、前日比8.1%安の9164円まで値を下げた。

「SVFは孫さんが目利きをして、サウジがカネを出す体制です。仮に欧米から制裁を科せられると、このビジネスモデルが崩れる恐れがあります。そうなれば、ソフトバンクにとって相当厳しい状況になるでしょう」(経済ジャーナリストの井上学氏)

 トヨタ自動車との提携を発表したばかりの孫社長は果たして、この苦境を打開できるか。


④人権団体「難民認定0人」に反発…「制度は何のために存在するのか」

2018/10/18 ハンギョレ新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181018-00031890-hankyoreh-kr

イエメンで公務員だったジャマルさんは家族と共に内戦から逃れ2012年イエメンを脱出。2015年にマレーシアに渡った後、5月7日に家族と共に済州に来た。7月、ハンギョレのインタビューに応じたジャマルさんの長女のサルワさんが海を見ている=カン・ジェフン先任記者

韓国、1994~2016年の難民認定672人…認定率3.0% ドイツ、2017年に12万3909人を難民認定…認定率20.5%

17日、政府が済州で難民申請をしたイエメン人のうち、ただの1人も難民として認めなかったため、難民・人権団体が一斉に反発した。彼らは34人に対する難民不認定の決定を撤回するよう政府に求めた。

難民人権ネットワークと済州難民人権のための汎道民委員会はこの日立場文を発表し、「審査決定を受けた373人のうち、難民認定者が一人もいないという事実に戸惑いを隠せない」とし、「こうした難民認定率は、現行の難民制度の存在理由を問い直さざるを得ない」と指摘した。彼らは法務部が難民不認定の決定を下した34人について、「法務部がどのような法的根拠で彼らを送還の対象にしたのか明確でない。不認定決定を撤回せよ」と要求した。

難民人権ネットワークは、公益法センター「アピール」と難民人権センターなど17団体からなる連帯機関だ。済州難民人権のための汎道民委員会には、キリスト教長老会済州老会正義平和委員会や済州民権連帯など、済州地域に根ざした39団体が参加した。これらの団体は、政府が国際人権基準に見合った審査をしなかったと指摘した。汎道民委員会のキム・ソンイン共同代表は「難民条約上、難民審査は申請者の個別の状況に合わせて具体的・個別的に行わなければならないのに、政府は内戦という現場の状況だけを見て千編一律に審査したようだ」と指摘した。

実際、韓国は難民認定に消極的な代表的国家と言われる。1992年に難民の人権と基本的自由を保障する「難民の地位に関する条約」に加入し、1994年から2016年まで2万2792人が難民申請をした。だが、このうち撤回件数を除いた難民認定は672人(3.0%)、人道的滞在許可は1156人(5.1%)だけだった。

一方、代表的な難民受け入れ国であるドイツは、2017年の60万3428人に対する1次難民審査だけで12万3909人(20.5%)を難民と認めた。難民の地位を認められれば、3年間の滞在と家族の呼び寄せが認められ、その後、経済生活を維持できているかどうかやドイツ語の理解力などを審査し、永住権を与える。難民認定より低い段階の「補充的保護」資格を得た人は9万8074人(16.3%)だった。この資格は、1年滞在を許可し、2年ごとに資格を維持するかどうかを審査し、5年経つと永住権を申請できる。1年の滞在権を与えて毎年審査する「人道的滞在」を許可された人は3万9659人(6.6%)だった。

キム・ギョンウク、イ・ボニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

⑤【築地市場解体】 都が封鎖する中、150人がお買いものツアー

2018年10月18日 田中龍作ジャーナル

http://tanakaryusaku.jp/

約150人の一般客が卸売棟内で買い物をした。看板もそのまま。全盛時代と変わらぬ風景だった。=18日、築地市場内 撮影:島崎ろでぃ=

《文・竹内栄子/写真・島崎ろでぃ》
 
東京都はきょう18日、築地市場の解体工事を始めた。豊洲移転から1週間、さまざまな問題が噴出する。都は築地に帰って来させないためにハイスピードで解体に着手したのである。

築地市場の門という門を閉鎖して、職員と警備員を配置した。正門にほど近い国立がんセンター横にはカマボコと呼ばれる機動隊車両が3台、拡声器を積んだ警察車両とパトカーが各1台待機した。何かあれば逮捕も辞さないというスタンスを見せつけるためだ。
 
築地解体に危機感を抱いた仲卸業者が場内で販売を行い、一般の買い物客ら約150人が入って買い物をした。

都職員と警備員らが入場を阻止しようとしたが、買い物客らは間をすりぬけて仲卸棟に到着した。

仲卸には「営業権」と言うものがある。築地市場がまだ存在し、店舗で売買が行われている以上、都は店を解体することができないのだ。買い物客らは営業権を保護するために買い支えに来たのである。

8社が交互に店を開けるようにしている。今日は2業者の品物を1社が持ち込み、パックに入った漬け魚などを販売した。

買い物が済んで先に帰ろうとした数名が「勝どき門」から出ようとしたが、都職員ら数名が立ちはだかり、ガンとして開けようとしない。

築地市場正門前は白い工事用パネルと衝立で二重に封鎖された。中を見ようとマスコミがたかった。鉢巻きの男性は仲卸業者。=18日、東京都中央区築地 撮影:島崎ろでぃ=

築地市場正門前は白い工事用パネルと衝立で二重に封鎖された。中を見ようとマスコミがたかった。鉢巻きの男性は仲卸業者。=18日、東京都中央区築地 撮影:島崎ろでぃ=

結局、買い物客らはずっと遠回りして、入って来た時に使った工事用の足場を上って外に出る他なかった。

場内に入った人の話によれば、仲卸棟などの解体はまだ手をつけていないようだった。工事に着手させないよう、私物を置いている店もある。電気、水道はまだ通っていた。

『田中龍作ジャーナル』スタッフは隣接する駐車場まで入ることができた。市場中心部に行く道はすべて白いパネルで覆われて様子を伺うことすらできない。

駐車場には屋根がついた“茶屋”とよばれる荷物の集積所があり、1店が営業していた。豊洲からここまで運んできて、買い出し人用の小さなトラックに振り分けているのだ。

スチロールのトロ箱をせわしなく積み込んでいる男性は「豊洲から45分かかった。あそこはお話になんないとだけ書いといて!」とはき捨てた。

東京中央市場労働組合執行委員長の中澤誠氏は、「豊洲では、知らない人からも築地に帰ろうって声を掛けられる」と明かした。

中澤氏は「豊洲は買い出し人の人達にもすごいストレス。最後には地元(漁港など)にしわ寄せが行くだろう」と懸念を示した。

流通に支障を来せば、いずれ産地にも影響が出る。黒字営業だった築地を廃止させないための、かぼそい抵抗が数店の業者によるお買いものツアーだ。ツアーは明日19日も予定されているという。

構内に入った買い物客らを通すまい、と都職員や警備員が立ちはだかった。=18日、築地市場内 撮影:島崎ろでぃ=

~終わり~


(3)今日の重要記事

①籠池夫人が安倍首相夫妻、稲田朋美、小川榮太郎らの嘘と手のひら返しを大暴露!
青山繁晴が籠池夫妻に送った失笑メールも公開

2018.10.17 Litera

https://lite-ra.com/2018/10/post-4317.html

『籠池のおかん「300日」本音獄中記』(双葉社)

先日、森友学園問題でまたも新事実が発覚した。約8億円もの値引きの根拠とされた「深さ3.8メートルからごみが出た証拠」として国交省が国会に提出していた写真が、実際には3メートルまで計測していただけのものではないかと朝日新聞が報じたのだ。

次々とあきらかになっていく政府の嘘──。不当な国有地の取引と決裁文書を改ざんしてまで国民の目を欺こうとした事実が指し示すのは「大きな力が働いた」ことにほかならないが、安倍首相は総裁選で「(昨年の衆院選で)国民のみなさまの審判を仰いだ」と宣い、内閣改造でも麻生太郎財務相を続投させるなど、反省の色はまったくない。

そんななか、森友問題の新たな火種になりそうな本が出版された。なんと、森友学園の籠池泰典・前理事長の妻で、昭恵氏と深い関係を築いてきた籠池諄子氏による著書『許せないを許してみる
籠池のおかん「300日」本音獄中記』(双葉社)が発売されたのだ。

この本は、大阪拘置所で300日という長期間にわたって拘禁されていたあいだ、諄子氏が主任弁護士宛てに書き綴った手紙400通の文面を抜粋したものなのだが、そのなかで諄子氏は、財務省の佐川宣寿・元理財局長の偽証を裏付ける証言をおこなっているのだ。

あらためておさらいすると、佐川氏は今年3月27日におこなわれた国会証人喚問において、希望の党の今井雅人議員(当時)に「(理財局の)S課長補佐さんが籠池さんに『身を隠してください』と弁護士を通じて連絡をしたというふうに言っていますが、これは事実か」と問われた際、こう証言していた。

「弁護士の方がマスコミに紙を発表されて『私自身、佐川と面識もないし連絡も取ったこともないし、その他の財務省の職員にそういうことを言われたことはない』というふうな発表をしていたということでございますし、私自身、まったくそういうことをしておりません」

「(嶋田課長補佐も)そういうふうに言っております」

●佐川宣寿・元理財局長は証人喚問でやっぱり偽証していた!

だが、諄子氏はこの証言に対し、真っ向からこう反論している。

〈2017年2月下旬、財務省理財局の佐川宣寿局長が「10日間ほど雲隠れしてほしい」と言っていると、当時の私たちの弁護士だった酒井さんに連絡があった。私学審議会があったり、保護者への状況説明会を予定していたりと大切な時期だったが、指示に従うことにした。2月20日、主人がTBSラジオ(『荻上チキ
Session-22』)の生放送番組に電話出演した後、身を隠すために主人の運転する車で二人京都へ向かい、深夜2時前、京都市内のアパホテルに入った〉

その後、籠池夫妻は翌日、車で奈良に移動し〈近鉄奈良駅近くの小さな旅館〉に宿泊、3日目には〈天理市の石上神宮と桜井市の三輪明神大神神社にお参り〉したあと再び京都に戻り、4日目には後述する“ある人からの電話”によって雲隠れ生活の限界を迎えたという。

こうした主張をおこなっているのは、諄子氏だけではない。財務省の職員が大阪地検特捜部の聴取において、口裏合わせの発端は「佐川前理財局長の指示だ」と言い、当時、佐川氏が「できれば籠池氏が表に出ないように仕向けてほしい」旨を部下に指示したと証言していることを日本テレビが報じていた。

しかも、重要なのは、雲隠れをした日が昨年2月20日だという点だ。同じ日に財務省理財局の職員が、森友側の弁護士に「トラックを何千台も使ってゴミを撤去したと言ってほしい」と電話で迫り、同様に近畿理財局にもこの嘘の口裏合わせを求めたことを、太田充・前理財局長が国会で認めている。

財務省の調査報告書では、文書の改ざんを本格的にはじめたのは昨年2月26日からとしているが、実際には少なくとも20日の時点で佐川氏を筆頭に理財局が隠蔽工作を図っていた。ようするに、文書の改ざんをはじめとする事実のねじ曲げがはじまったのは、2月17日夕方に安倍首相が国会で発した「総理も国会議員も辞める」発言が引き金だったことがあらためて証明されたのだ。

籠池夫人が明かした安倍首相と稲田朋美元防衛相の大ウソ答弁

しかも、諄子氏が獄中で綴った手紙に書き記されていたのは、佐川氏の嘘だけではない。それは、安倍首相や稲田筆頭副幹事長がついた「嘘」だ。

諄子氏は安倍首相が否定している「100万円寄付」問題も事実だと主張しているが、もうひとつ、安倍首相が昨年2月17日に「安倍晋三記念小学校」という学校名を持ちかけられた際に「私は断った」と述べたとき、「死後なら別だが、冠にするなら郷土の大先輩である吉田松陰先生の名前を付けてはどうかと言った」と答弁した。だが、諄子氏はこう反論する。

〈テレビで見ながら「えー、吉田松陰先生とか?」と驚きました。私はまったく聞いたことがない話だったので、国会という大切な場でも首相は簡単に嘘をつかれるのだなと、印象に残りました〉

 稲田筆頭副幹事長の嘘も同様だ。稲田氏は「ここ10年来疎遠にしている」「夫と籠池氏が関係があるかどうかは承知いたしておりません」などと国会で答弁したが、対して諄子氏は〈稲田龍示さんと朋美さんとは、よく会っていました〉と振り返る。

〈ある時、朋美さんと話していたら、「自民党の町村(信孝)さんからTELがあって、『安倍さんが会いたいと言っている』と言われて会ったら、選挙に出ないかと言われてん」と言っていた〉
〈夫・龍示さんの法律事務所と森友学園は顧問契約を結んでいましたし、(中略)主人は衆議院議員になった稲田さんが大阪で開催した著書出版記念パーティで、来賓として来られた麻生太郎さんのアテンド役も頼まれています。自民党会館でも一昨年だったか、会ったじゃないですか。10年も会ってない? 政治家は嘘をつくのが常なんでしょうね〉

なんと、安倍首相が稲田氏に出馬を要請したことまで、直接本人から聞いていた──。これが本当ならば、安倍首相の「籠池氏は非常にしつこい方」発言と同様、よくもまあ平然と手のひら返しをしたものだ。

しかし、諄子氏の告白を読んでいると、こうした手のひら返しこそが安倍応援団、極右のお家芸なのだと思わずにいられない。

たとえば、杉田水脈議員擁護記事で「新潮45」(新潮社)を休刊に追い込んだ小川榮太郎氏。小川氏は昨年、衆院選に合わせるかのように『徹底検証「森友・加計事件」─朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)なる本を出版し、モリカケ問題を“朝日の捏造だ”という陰謀論で安倍首相を擁護したが、同時に“寝返った籠池”などと籠池夫妻にも刃を向けていた。

小川榮太郎、青山繁晴の豹変! 青山から籠池夫妻に届いた失笑長文メール

だが、森友問題が騒動になっていた最中の小川氏の態度は、まったく違った。昭恵氏から電話で「私の友人で小川榮太郎さんという方がいます。マスコミ対策ではくわしい方なので一度電話してみて、相談されればよい」とアドバイスを受けた諄子氏は小川氏に連絡をとったが、そのとき、小川氏は「一度お会いしたい」と返答。さらにその後も「東京に来られるのなら僕、伺うので会ってほしい」というメールが届いたという。小川氏は、昭恵氏からの依頼で籠池夫妻の動きをコントロールしようとでもしたのだろうが、籠池夫妻がそれに応じず、安倍夫妻を窮地に立たせる“事実”を証言すると、手のひらを返して“寝返った”などと書き連ねたというわけだ。この小川氏の言動に、諄子氏も〈朝日新聞が怒って当たり前です〉と述べている。

もっと酷いのは、自民党の青山繁晴参院議員だ。青山氏は議員になる前から塚本幼稚園の講演会に登壇し、自身の番組でも「大阪の塚本幼稚園。ここはまったくのフェアな愛国心を育てている幼稚園として推薦できます!」「塚本幼稚園、塚本幼稚園園長、がんばってくださいね!」と熱心に森友学園を応援していた。にもかかわらず、森友問題が発覚するや否や、「塚本幼稚園……だったと思うんだけど、この森友学園という学校法人、僕はこの事件ではじめて聞いたんですけど」(『真相深入り!虎ノ門ニュース』2017年2月27日放送)などと発言。参院予算委員会で泰典氏の証人喚問がおこなわれた際には、予算委メンバーとして青山議員は最前列に着座していたが、隣の議員を壁にするかのように座り、泰典氏の視界に入らないような姿勢をとっていたことでも話題になった。

しかし、諄子氏によると、じつは青山氏は講演会をおこなったときから一悶着あったらしい。というのも、青山氏は講演会にアロハシャツ姿でやってきたからだ。さらに、籠池夫妻は青山氏を伊丹空港まで迎えに出向いたが、当の青山氏は「あー」と言うだけで礼のひとつも述べず、車に乗ると「今から寝ます」と言い放った。その態度に諄子氏は怒り、「その態度はなんですか」と青山氏を諫めたという。すると、その日の夜、青山氏からは〈長文の謝罪メール〉が。そこには「許してください」「アロハシャツはハワイの正装なんです」といった言い訳が綴られていたそうだ。

安倍事務所の秘書から「昭恵夫人の顔写真をすべて外せ」と恫喝電話

籠池夫妻の教育方針に賛同し、夫妻を応援していたのに一転、節操もなく後ろ足で砂をかける。──つまり、小川氏や青山氏は、安倍首相や昭恵氏の立場が危うくなり、これまでの態度を一変させてしまったのである。

しかし、そうやって籠池夫妻を裏切る者が続出するなか、トンチンカンな励ましをつづけたのは、やはり昭恵氏だった。

前述したように、佐川氏の指示のもと、籠池夫妻は昨年2月20日から雲隠れ生活を余儀なくされたが、4日目になって、泰典氏にある人物から電話が入った。安倍晋三事務所の初村滝一郞秘書だ。

泰典氏は当初から「(初村氏から電話があり)非常にコワモテの声で『(HPから)下ろせ』と」「『FAXで流しているので今日中に顔写真すべて外せ』ということだった」と説明していた。だが、安倍首相は昨年2月27日の国会で「ホームページを消したのは私でも私の家内でもありませんよ!」「レッテル貼りは辞めましょうよ。一生懸命、一生懸命、そうやって印象操作をされていますけど、何もないんですよ、そこは」などと激昂。ついには初村氏の連絡が事実かどうかを確認した質問書に対し、「安倍議員の政治家個人又は私人としての活動等に関するもので、政府としてお答えする立場にない」という答弁書を閣議決定までしている。

だが、諄子氏はたしかに初村氏から泰典氏に「至急、名誉校長から昭恵夫人の名を外してほしい」という〈高圧的な物言い〉の電話があったと証言。その際、外務省から出向していた昭恵氏付き職員母親である〈住吉大社の権宮司Kさんの奥さん〉からも電話があり、「今、娘のところに来てるんだけど、昭恵夫人に“いったいどうなっているの”って聞かれているのよ」と言われたのだという。

この昭恵氏付き職員の女性が、取材に対して「籠池さんは知らない」と答えていることについて、諄子氏は“彼女と昭恵さんと写真を撮ったこともある”とし、彼女や昭恵氏とともに住吉大社にも行ったと主張。諄子氏の証言は、昭恵氏担当の官僚を含めて昭恵氏と深い関係を築いてきたことが伺えるだろう。ちなみに、昭恵氏が住吉大社を訪れたのは、2015年9月4日。この日は奇しくも、設計会社所長ら森友関係者が近畿財務局を訪ね、近畿財務局の統括管理官と大阪航空局調査係と協議。さらには安倍首相も来阪しており、前日には官邸で当時の財務省理財局長である迫田英典氏と面談をおこなっている。

昭恵夫人は騒動渦中も「今でも名誉校長でありたい気持ちは変わらない」

この“偶然の重なり”はさておき、昭恵氏は名誉校長を降りたあとも諄子氏と頻繁にメールでやりとりしていたことがあきらかになっているが、電話でも、昭恵氏はこのように思いを伝えていたのだと諄子氏はいう。

「今でも名誉校長でありたいという気持ちは変わらない」
「今、琵琶湖の竹生島に行ってました。そこの滝のところに龍がいて、その龍を見た時、籠池さんだと思ったんです。籠池さんご夫妻は大きな使命がおありなんだと思ったんです」

この獄中記であらためて驚かされるのは、こうした諄子氏と昭恵氏の親密ぶりだ。問題発覚以前には、昭恵氏から「素晴らしい教育をやっている学校がある」といって加計学園の御影インターナショナルこども園への見学を薦められたり、またあるときは「大本教のお孫さんの出口光さんと会わないか」と誘われたり(このとき出口氏が会長を務める「メキキの会」に入会した諄子氏は、同会の会議で下村博文・元文科相にも会い、塚本幼稚園の会報を手渡したという)。

さらに、昭恵氏が小学校視察に訪れた際には「夕方からあべのハルカスで飲み会がある」と言っていたというが、その後、飲み会の最中に昭恵氏から間違い電話があり、〈遠くからかなり酔っぱらっておられる昭恵さんの声〉が聞こえてきたと諄子氏は回顧している。

昭恵氏は泰典氏の証人喚問がおこなわれた昨年3月23日の夜に、100万円の寄付や国有地取引での口利きを否定するコメントをFacebookに投稿。その後はまるで他人事のような言動をとっている。つまり、「祈ります」だの「籠池夫妻には大きな使命がある」だのと言いながら最大の手のひら返しをおこなったのは昭恵氏であるわけだが、一方で諄子氏は獄中の手紙のなかで、こう綴っている。

〈今思うと、昭恵さんがおっしゃったように、主人は天から使命を頂戴したのかもしれない。裸の王様の総理大臣と相対し、時代のけじめをつける、という使命を〉

この獄中記では、ここまで挙げた問題だけではなく、安倍首相のブレーンで最大支持者であるJR東海の葛西敬之名誉会長や、日本会議、そのほかさまざまな人びとや団体との関係についても詳しく書かれている。さらに、拘置所の非人道的な実態や、そんななかでも前向きに日々を過ごそうとする諄子氏の力強い生き方が綴られ、また、塚本幼稚園時代に保護者に対して「ヘイト文書」を出していたことについても、〈あの文面では『差別だ』と捉えられて当然〉〈本当に申し訳なく思っており、ここに謝罪します〉と問題にも向き合っている。

今後、籠池夫妻には裁判が控えているが、そのまえに、森友問題というものがいかに“国家犯罪”であるかを、本書で再度確認してみてほしい。そして、これを読めば、森友問題はまったく終わった話ではないことを痛感するはずだ。

(編集部)

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【杉並からの情報発信です】【YYNews】【YYNewsLive】
情報発信者 山崎康彦
メール:yampr7@mx3.alpha-web.ne.jp
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