中国人民銀、預金準備率1ポイント下げ 今年3回目
15日から 米中摩擦で景気下支え
【北京=原田逸策】中国人民銀行(中央銀行)は7日、市中銀行から強制的に預かる預金の比率を示す預金準備率を1ポイント下げると発表した。15日から実施する。大手銀行の標準的な準備率は15.5%から14.5%に下がる。引き下げは今年に入って3回目。米国との貿易戦争が激しくなるなか、秋以降の景気を下支えする狙いがある。
対象は大手銀行、株式制商業銀行、都市商業銀行、農村商業銀行、外資銀行と幅広い。今回の引き下げで市中に出回るお金は7500億元(約12兆円)増える。人民銀は発表文で「穏健で中立な金融政策を続け、バラマキはしない」とした。
米国は7~9月に計2500億ドル(約28兆円)分の中国製品に追加関税をかけた。夏までは関税前の駆け込み輸出で輸出は堅調だったが、10月以降は関税の影響で落ち込むことが予想される。今回の措置は銀行の手元資金を厚くし、中小零細の輸出企業向けの貸し出しが増える効果をねらう。
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