今年1月1日から世界的に施行された、新たなゴルフ規則。「ルールの簡素化」と「プレー時間の短縮」を目的に、大幅に改正された。この新ルールが初適用されて行われた今月上旬の米男子ツアー「セントリー・チャンピオンズ」では、その効果とともに戸惑いも広がった。アマチュアゴルファーにも参考となりそうな、同大会での新ルールに関わるプレーをピックアップした。 (取材構成・稲垣博昭)
「違和感はあると思う。始まってみないと何が起こるか想像がつかない」。大幅に改正された新ルール施行。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の小山和顕・競技管理部長は不安げに漏らしていた。米男子ツアーで初適用された今年初戦「セントリー・チャンピオンズ」(3~6日、米ハワイ州・プランテーションC)では、新ルールを巡る珍プレー・好プレーが随所に出た。
ブライソン・デシャンボー(25)=米国=は、第1日の11番でピン(旗竿)を刺したまま5メートルのバーディーパットを沈めた。新ルールでピンを抜かずにパットすることが可能となったため、早くも活用した形だ。
本人は「ピンの材質によって判断している」。しなるようにできているカーボン素材なら、ピンが刺さっていてもカップに沈められると説明した。他にもピンを抜かずにパットを打つ選手が複数、見受けられた。
日本から参戦の小平智(29)=Admiral=は第2日の8番で、ドロップを「肩の高さ」から行った。同組のブルックス・ケプカ(28)=米国=から「膝からだよ」と指摘を受け、慌てて新ルールの「膝の高さ」から再ドロップ。そのまま打っていたら、1罰打が科されていた。