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「広告費」と「原子力擁護記事」をやりとりした地方自治体とマスコミ

慶北道「原子力クラスター」広報費に4年間で6億ウォンを使った

チョン・ヨンギル記者 2014.12.05 11:43

慶尚北道の「東海岸原子力クラスター」関連の広報費のうち、 相当数が「記事性広告」であることがわかった。 慶尚北道は福島事故が起きた2011年、嶺南日報と毎日新聞に原子力企画連載記事12件に対する1億5千万ウォンを始め、 今年まで「原子力クラスター」関連の広報費に総額6億9百万ウォンを使った。

この4年間(2011〜2014)で慶尚北道が原子力クラスター関連の広報費に使った金額合計は6億9百万ウォンだ。 年度別には2011年に1億5千万(12件)、2012年に2億6700万(17件)、2013に年1億1200万(5件)、2014年に8千万(3件)ウォンを使った。

記者は慶尚北道に「原子力クラスター関連広報費執行内訳」の情報公開を請求し、 慶北道が提供した資料に基づいて該当日の新聞を調べた。 しかし新聞紙面のどこにも全面広告、下段広告はなかった。 ただし「原子力」を積極的に擁護する記事だけを確認した。

▲2011年嶺南日報と毎日新聞に連載された原子力関連企画記事の一部。[写真=嶺南日報、毎日新聞紙面キャプチャ]

原子力クラスター広報の始まりは2011年の9月8日から10月21日まで、毎週7回嶺南日報に連載された「原子力新しい窓を開こう」だ。 慶尚北道は「紙面広告」の名目で一回1千万ウォン、合計7千万ウォンを使った。

福島事故で原発への警戒心が高まった年だったが、記事の主な内容は「原発の安全性」と「地域経済活性化寄与度」だ。 題名だけでも記事の内容は推察できると思う。 以下は嶺南日報に7回にわたり連載された記事の題名だ。 記事には「記事性広告」であることがわかるようになっていたり、 「慶尚北道の支援を受けた」という内容は見つからかった。

下段広告を除き、一面を使って連載された記事は、 △安全性強化、原子力発電の放棄はない、 △福島事故よる死亡者は皆無、漠然とした恐怖心を持つ必要はない(2011年9月8日)、 △地域民の不安を最小に減らし、恩恵は最大限に増やす(9月15日)、 △考え方の差「原発は親環境・輸出孝行商品」(9月22日)、 △セーヌ川の水を原発の冷却水に、またパリ市民の飲料水に(9月29日)、 △まだ代替エネルギー源はない(10月6日)、 △「今まで対話が不足していたので住民が安心できるように」、 △技術自立・輸出快挙…準国産エネルギー源(10月13日)、 △原発の信頼のために対話拡大、安全運営最優先、 △新蔚珍原発2基建設、1兆5200億支援「景気が光る」(10月21日)だ。

▲2011年原子力クラスター関連広報費執行内訳[出処=慶尚北道]

そして11月22日から毎日新聞にも毎週5回「原子力の未来は東海岸にある」が連載された。 やはり慶尚北道は「紙面広告」の名目で一回1600万ウォン、8千万ウォンを使った。

毎日新聞が連載した企画記事の題名は、 △資源貧困国「エネルギー安保」が重要…模範回答は原子力発電、 △韓国原発の歴史(11月22日)、 △日本の福島事故で停滞…原子力発電「大きな流れ」は続く(11月29日)、 △世界の原発市場2900兆ウォン規模…「輸出前進基地」の造成を急げ(12月6日)、 △国内最多の原発保有にも研究施設なし…東海岸クラスター造成が急がれる(12月13日)、 △地域経済を生かす新しい成長動力…原子力クラスター造成が正解、 △「原子力クラスター造成が遅れた地域経済を生かす」(12月20日)だ。

▲2012年原子力クラスター関連広報費執行内訳[出処=慶尚北道]

最近4年間で一番多額の広報費を使った2012年(2億6700万ウォン)には、さまざまなメディアに広報費を支出した。 地域紙だけではなかった。 中央日刊紙、中央経済新聞からインターネット新聞までが含まれていた。 慶北道は大邱新聞に1億ウォン(8件)を支出し、浦項MBC、週刊京郷、毎日経済、毎日新聞、ニューシスアイズ(大邱慶北)、慶尚毎日新聞、電気新聞、韓国日報、エネルギー新聞にそれぞれ1件ずつ広告を掲載した。 すべての記事が広告費を払って掲載されたのかどうかは確認できなかった。 過去紙面の表示サービスが提供されていない報道機関が多かった。 だが中央日刊紙の毎日経済と韓国日報には「記事性広告」として慶北道が広告費を使ったことを確認できた。

2012年7月3日、毎日経済はCセクション1面を使い、 原子力クラスター事業を積極的に広報した。 (△李大統領「原発は30年先を見通す事業…積極的に支援」、 △海洋ビジネス中心経済自由区域推進、 △盈徳・蔚珍・慶州地域を原発メーカーで集中育成)

また、韓国日報はセクションBの8面全体を完全に使って 「東海岸原子力クラスター」を広報した。 その上、2面の全面広告が含まれていた。 そのためか、慶北道が韓国日報に使った広告費は4400万ウォンだ。

残り6面の記事の題名は、 △慶北、東海岸、世界の「原子力メーカー」を夢見る、 △グローバル競争力を備えた大韓民国の原子力複合団地に…、 △「原発の安全のために原子力クラスター造成を」、 △東海岸原子力クラスターの展望と育成、 △「それでも頼れるのは原発だけだ」、 △「世界の原子力国際標準を慶北が用意します」、 △「世界的原子力研究ハブを造成する」、 △「新規原発指定告示…経済活性化期待」だ。

2年間、日刊紙を中心として広報した慶尚北道は、2013年から放送に関心を向けた。 2013年には、 △大邱MBCラジオキャンペーン(2件)、 △大邱MBCラジオ製作に1億ウォン、Mプラスの韓国紙面広告に1千万ウォン、産業ジャーナルの紙面広告に2百万ウォンを執行し、 合計1億1200万ウォンを使った。

2014年には、 △TBC TV広告(3500万ウォン)、 △浦項MBC TV広告(1500万ウォン)、 △KTX車内放送広告(3千万ウォン)の3件に総額8千万ウォンに広報費用を使った。

▲2013、2014年原子力クラスター関連広報費執行内訳[出処=慶尚北道]

付記
チョン・ヨンギル記者はニュースミンの記者です。この記事はニュースミンにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-12-07 09:06:55 / Last modified on 2014-12-07 09:06:57 Copyright: Default

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