マガジンのカバー画像

INISHIE NO BUNMEI

19
webショップ販売グッズ「INISHIE NO BUNMEI」シリーズにまつわるちょっとした空想話。【完結済】
運営しているクリエイター

記事一覧

#18 エピローグ

#18 エピローグ

世界各地に17品点在していた「INISHIE NO BUNMEI」と呼ばれる禁断のアクセサリー。
それを手に入れた「5-five-」の店主は、バイヤーのトンズラからそのアクセサリーにまつわる秘密と、自分の出生にまつわる話を聞いた。
「INISHIE NO BUNMEI」シリーズのペンダント全17品が全て同じオーナーの元に集められた時、願いを一つだけ叶えてくれる神が現れると言う。
店主はその時、なぜ

もっとみる
#17「FAIRY-CIRCLE」

#17「FAIRY-CIRCLE」

▼「失礼する!」
▽「スー、スー…。」
▼「ダンナ~…。ダンナが今日だ、ってしたんだろうが。…なに寝てやがんだ!…ダンナ!ダンナって!」
▽「…ん。…んあぁ、トンズラか。…はっ。もう時間か!?」
▼「…おいおい、なんてこった、緊張感のない…。しっかりして下せえよ。」
▽「ああ、悪い、悪い。…それじゃ、始めようか。」
▼「マーブル!…いや、ロディ!」
▽「?」
■「店主♪…じゃないか。ごめんなさい!

もっとみる
#16 「AQUA-PUPIL」

#16 「AQUA-PUPIL」

▼「ダンナ!禁断のアクセサリー、また持って来たぜ!」
▽「あのさ、トンズラ。お前、残りの2種、今持ってるんだよな?別にその都度1商品ずつ説明しなくても、全部一気に売ってくれてもいいんだぞ?…確か「GREEN-BUTTER」を持ってきた時からもう全部持っていたんだろ?」
▼「チっチっチ!分かってねぇなぁダンナは!…一品一品紹介していくその、ロマン!その、丁寧かつ品位!商品に対する愛情!…オイラはそう

もっとみる
#15 「P-B-S-L」

#15 「P-B-S-L」

▼「ダンナ!…おや、ダンナ!いないんで?」
▽「お、トンズラ。…そうだ、これ見てみろよ!」
▼「あん?ダンナ。俺ぁ「P-B-S-L」なんて、ダンナと取り引きしたかね?」
▽「…ふふん!そう、これは、禁断のアクセサリー、カタログNo.15、「P-B-S-L」だ!」
▼「ダンナ、寝ぼけたこと言っちゃいけねぇな。禁断のアクセサリーは全部で17種類。…うち、14種類はこの店にオイラが運んだ。残りは3品。そ

もっとみる
#14 「GREEN-BUTTER」

#14 「GREEN-BUTTER」

▼「ダンナ、ダンナ!起きて下せえ、ダンナったら!」
▽「!」
▼「ダンナ、「INISHIE NO BUNMEI」残りの4品、持ってきやしたぜ?」
▽「…。」
▼「ダンナ、前回のはちょっとした冗談でさ。そんな風にふて寝してねぇで。…さ、さっさと取り引きといきやしょうぜ!」
▽「…。」
▼「はぁ…、いかんな。ちとやり過ぎたか…。」
▽「…。」
▼「ダンナ、飴…舐めますかい?」
▽「…。」
▼「こいつぁ

もっとみる
#13 「FAMILY-FIGURE」

#13 「FAMILY-FIGURE」

▼「てーんしゅっ!店主♪」
▽「や、やぁマーブル(う…この感じ…!トンズラの「ダ・ン・ナ!」と全く同じじゃないか…!)。」
▼「あ、名前、憶えて下さったんですね。」
▽「ま、まあね。」
▼「この間はどうもありがとうございました。今日もトンズラ師匠から預かってきた品を…」
▽「あ、あぁ…。それなんだけどさ。こないだも言ったけど、うちは禁断のアクセサリー屋さんになるつもりは…。」
▼「こちら!「FAM

もっとみる
#12 「WATER-FLEA」

#12 「WATER-FLEA」

▼「すみません、こんにちは。」
▽「はい、どうぞ。」
▼「あ、店主さんですか?私、トンズラさんの弟子で、隣り町のマーブルと言います。」
▽「トンズラの?…てことはあんたもバイヤーさんかい?」
▼「はい。普段は河のあちら側を中心に取り引きをさせて頂いているのですが、今回の品はこちらが詳しいので、ぜひ、とのことで師匠からご指名頂いたもので…。」
▽「えーっと…。一応話は伺うけども…。嫌な予感しかしない

もっとみる
#11 「THE-SWITCHERS」

#11 「THE-SWITCHERS」

▼「ダ・ン・ナ♪今日も来ちゃった、なんてな!へへへ。これ分かるかい?ジューンちゃんのマネなんで?」
▽「あ、うん。」
▼「へへへ。今日はジューンちゃんのお店で飲み明かした後なんで。ちょーっとフラフラもしてるが、でもきっちりブツは持ってきましたぜ?」
▽「んーー…。あぁ。んー…。」
▼「…っておいおい、いつもみてぇにネチネチ嫌がらねぇじゃないですかい?なんか酔いも覚めちまうや…。」
▽「あぁ…。んー

もっとみる
#10 「DRAGON-TOOTH」

#10 「DRAGON-TOOTH」

▼「っぷはぁ!、うーん。なかなかに美味だね。こいつは三ツ星だ。」
▽「トンズラ!何だよこの匂い?…テールスープか何かか?」
▼「おぉ、察しがいいね、ダンナ。あそこの一角に新しく店が立ち始めたろ?あの一つがこのテールスープのテイクアウトをやってたんで。いや~、こいつぁかなり美味だね。」
▽「そういう強い匂いを纏って入って来るなよ。…ていうかそんなことより表の札!“休憩中”にしといたろ?」
▼「いやへ

もっとみる
#09 「UFO-S」

#09 「UFO-S」

▽「ええ?どこだ?見えねぇぞ?んん?」
▼「ダンナ、こりゃ大スクープだ!オイラ、だって、この目で見ちまったんだから!」
▽「そんなこと言ったってな。何にも見えないしな…。」
▼「本当なんだ!くそ!どうして写真の一つも撮らなかったんだ、オイラってやつは!」
▽「あのなあ、トンズラ。“未確認飛行物体”だぞ?“確認”出来ちゃったらただの“飛行物体”じゃないか。…どうせ鳥かなんかだろ?」
▼「いーや!あり

もっとみる
#08 「ROYAL-BEDS」

#08 「ROYAL-BEDS」

▼「ダンナ、ダンナ!起きて下せえ、ダンナったら!」
▽「ん~…、むにゃむにゃ。そーんなに食べられないよー。」
▼「ダンナ、ダンナってば!」
▽「ん~…、待ってよ、そっちいくよ~…。」
▼「まったく、いつも寝ちまうんなら店閉めときゃいいものを…。ダンナ!ダンナ!」
▽「スーー、スー…。」
▼「…なんでぇ、今日は全然起きやしねぇ…。しょうがねえ、今日は他を当たるか…?」
▽「むにゃむにゃ…、何だよトン

もっとみる
#07 「MERRY-XY」

#07 「MERRY-XY」

▼「ダンナ!何してるんで?」
▽「…あ、ちょうどいいや。」
▼「あん?」
▽「ちょうど良かったよ。なあ、ちょっと見てくれないか?」
▼「見て…って、その蝶ネクタイで?」
▽「あぁ。今夜ちょっと大切な人に会うんだ。どっちの色がいいかな、と思ってさ。」
▼「んー、青の水玉と?黄色のチェックですかい?んー、…それは誰に会うかでも決まってきやすぜ。」
▽「ん?どういうことだ?」
▼「いやぁ、オイラに言わせ

もっとみる
#06 「BOS-PORUS」

#06 「BOS-PORUS」

▽「もしもし、もしもーし!」
▼「ダンナ!…それ…、…くら……で?」
▽「おっかしいな…。調子悪いなぁ…。」
▼「…ンナ!聞こえてるんで?」
▽「トンズラ、ちょっと連絡器の調子が悪いな、多分こっちのだ。別に取引は今じゃなくていいから、今度直接店に来た時にやり直さないか?」
▼「ダ…ナ!?…ンナ!…ーい!聞…えて……か…?」
▽「あー、ダメだ、完全に壊れたな。トンズラ!もう無理みたいだから、一旦切る

もっとみる
#05 「JULIAN-W」

#05 「JULIAN-W」

▼「チョコレート、欲しいな。ジューンちゃんから、欲しいな。」
●「チョコ・ホシイ。チョコ・レート・…ホ…シイナチョコ…ホシインダヨ…ジューン…」
▽「レターバード!それ呪文じゃないから覚えるなよ!…トンズラも!長居していないでさっさと帰れよ!」
▼「いやはは…。何だか今日は緊張して足が動かないんでぇ。」
▽「へぇ、お前でも緊張することがあるんだな…ただの下衆バイヤーかと思ってたけど。」
●「ゲス!

もっとみる