今年は原油供給過多進む、加盟国の増産で=OPEC月報

今年は原油供給過多進む、加盟国の増産で=OPEC月報
 2月10日、OPECが月報を公表した。写真はカリフォルニア州のガソリンスタンドで2012年3月撮影(2016年 ロイター/Mario Anzuoni)
[ロンドン 10日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は10日に公表した月報で、今年の原油市場は日量72万バレルの供給過多になるとの見通しを示した。サウジアラビアをはじめとする加盟国の増産により、供給過多は前月の月報で示した日量53万バレルから増えるとしている。
OPECはまた、2016年の世界経済の成長率予想を3.2%とし、前回予想の3.4%から下方修正。「2014年半ばに始まった原油価格の大幅な下落による全般的なマイナスの影響は、短期的には恩恵を上回ったと見られる」とし、これまでは原油価格の下落は世界的な経済成長を後押しする要因としていたが、今回の報告では原油安はむしろ経済の阻害要因になるとの認識を示した。
また、原油安により比較的価格の高いOPEC非加盟国が産出する原油が打撃を受けていると指摘。非加盟国の今年の産油量は主に米国の減産が要因となり日量70万バレル減少すると予想。前回報告では日量66万バレルの減少を予想していた。
今年の世界的な原油需要については日量125万バレル増加するとし、前回予想をほぼ据え置いた。2015年は日量154万バレル増加していた。

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